【外壁塗装】庇のない金属外壁の工場を3配色で比較!壁を伝う茶色い筋は「汚れ」ではなく「錆」です

2026-09-09

塗装前写真から作る塗装デザイン

3つの仕上がりイメージ

 

 

デザイン案

design concept

 

 

庇のない金属外壁の建物は、屋根に落ちた雨がそのまま壁の全面を流れ下ります。壁を上から下へまっすぐ落ちている茶色い筋は、洗って落ちる汚れではなく、金物から溶け出した錆が染みたものです。そのうえで、軒のない大きな壁面をどう見せるか。色数を減らして骨格を立てるか、周囲の緑に寄せるか、線を引いて建物の形を描き出すか。同じ建物でも考え方がここまで変わります。

 

3つの塗装デザイン案

塗装デザイン.comでは、塗装前の外観写真をもとに、デザイナーが3つの塗装デザイン案(仕上がりイメージ)を作成し、完成イメージを共有してから進めます。

 

A

B

C

 

※掲載のデザイン案はイメージです。実際の仕上がりは

日当たり・素材・画面表示などにより見え方が異なります。

 

 

BEFORE

 

 

 

今回の対象は、縦張りの角波金属サイディングで仕上げた、2階建ての工場・倉庫です。屋根は緩やかなアール(曲面)を描く片流れで、左に向かってなだらかに下がっています。正面に大型シャッターが2連並びますが、その上に庇(キャノピー)がありません。シャッターの上に投光器が直接取り付けられ、開口部の周囲を平らな見切り枠が囲っています。
右手に小さな庇の付いたアルミの片開きドアがあり、2階には横長の窓、側面には縦長の窓が並びます。足元にはコンクリートの低い腰(立ち上がり)が一周しています。

 

外壁全体はくすんだ灰白色に退色し、触ると白い粉が付くチョーキングが出ています。壁の上から下へ茶色い筋が何本も垂れ、角波のリブ(縦の凹凸)に沿って黒い雨だれの筋も入っています。大型シャッターの見切り枠とスラットの下端には赤茶色の錆が出て、パラペットの笠木は色ムラが出てパネルごとに明るさが揃わなくなっています。竪樋と水切りには白化が進み、金物のつなぎ目に点錆が出ています。足元の腰コンクリートには、濃い黒ずみと苔が帯状に付着しています。

 

この建物でいちばん効いているのは、茶色い筋が決まった位置から落ちているという点です。壁全体がまんべんなく汚れているのではありません。シャッターの見切り枠の角から、笠木の継ぎ目から、金物のある場所からだけ、まっすぐ下に向かって筋が伸びています。これが錆汁の出方です。雨が金物の錆を溶かし、それが壁を伝って染み込んでいます。高圧洗浄では表面の汚れしか落ちず、染みた錆は残ります。

 

そして、この建物には庇がありません。深い庇のある建物なら、雨の大部分は庇が受けて壁の手前で落ちます。軒や庇がない建物は、屋根に落ちた雨がそのまま壁の全面を流れ下ります。壁が受ける水の量そのものが違うので、同じ塗料・同じ年数でも庇のある建物より先に傷みます。今回の状態は、錆が金物にとどまっていて壁の鋼板まで達していない、ケレン(錆落とし)と錆止めで完全に止められる段階です。

 

 

ここから

茶色い筋の元になっている金物を特定し、ケレンして錆止めで止める

笠木の継ぎ目を打ち直し、軒のない建物の水の入口をふさぐ

足元の苔と黒ずみを洗浄・除藻してから、防藻性能のある塗料で仕上げる

シャッターと見切り枠を壁に揃えるか、色を変えて見せるかを選ぶ

塗装は、錆を止めて建物を守るだけでなく、会社の印象を整える手段でもあります。

 

 

AFTER

 

 

— デザイン A —

 

ベージュ×チャコールグレーで
明色の面と濃色の骨格、いちばん外さない構成

 

 

CONCEPT

 

外壁をベージュ(暖かみのある明るい砂色)で塗り、パラペットの笠木・シャッター2連・その見切り枠・エントランスの小庇とドア・足元の腰・竪樋をすべてチャコールグレーで締めた配色です。
明色の面と、濃色の骨格という、いちばんシンプルな二層構成にまとめています。

この建物の見た目を乱していたのは、実は色数の多さです。ビフォアを見ると、笠木、シャッター、その枠、樋、腰のコンクリートが、それぞれ違う退色をしています。灰色、白、茶、緑がかった黒。ばらばらの色が細い線として建物じゅうに散っているので、形が読めず雑然として見えます。この案は、色を足すのではなく色数を減らすことで整えています。設計上の要点は、シャッターとその見切り枠を同じチャコールで揃えたことです。ビフォアでは枠だけが浮いて、開口部が四角い穴に見えていました。枠とシャッターを同色にすると、開口部が壁に開いた大きな一枚の面として読めるようになり、建物の正面がすっきりします。同じ濃さで足元の腰も締めているので、建物が上下からきちんと押さえられ、庇のない平べったい壁面にも安定感が出ます。3案の中で最も長く飽きが来ず、最も業種を選ばない配色です。

 

 

この案が向く方

✔ 10年後も古びて見えない色にしたい

✔ 業種やテナントが変わっても使える外観にしたい

✔ 汚れの目立ちにくさを最優先したい

✔ 落ち着いた色にしつつ、冷たい印象にはしたくない

 

 

 

配色設計メモ(デザインの意図)

 

外壁(角波金属サイディング)

ベージュで面をまとめ、工場まわりの土埃や砂ぼこりと色の系統を揃えて汚れを浮かせない

 

シャッターと見切り枠・笠木・竪樋

バラバラに退色していた金物をチャコール1色に統一し、開口部を壁に開いた一枚の面として読ませる

 

足元の腰(立ち上がり)

苔と黒ずみが集中していた足元を同じチャコールで受け、建物を上下から押さえて平べったい壁面に安定感を出す

 

 

おすすめの艶(ツヤ)

3分艶

角波の金属サイディングは縦のリブが等間隔に並んでいるため、艶を上げるとリブの山ごとに光が線状に反射し、壁が縞模様に見えます。ベージュのような中明度の淡色ではその差がとくに出やすく、面ごとに色が違って見えることもあります。艶を抑えると色が安定し、リブの陰影が自然な凹凸として読めます。付帯部のチャコールも同じ3分艶で揃えてください。

 

汚れの目立ちやすさ

3案でもっとも汚れが目立ちにくい配色です。ベージュは中明度の暖色で、黒い雨だれとも白いチョーキングの粉とも明度差が中間になります。工場まわりの汚れはその多くが茶〜灰色系なので、色の系統も揃っています。
そして、いちばん汚れる場所がすべて濃色になっています。苔と黒ずみが集中していた足元の腰、雨水が集まる笠木と樋、跳ね返りを受けるシャッター。ここをチャコールで受けているため、同じ年数が経ったときにまだきれいに見えるのがこの案です。塗料はシリコン以上で十分に成立します。予算をグレードではなく下地処理(ケレン・錆止め・腰の防藻処理)に厚く配分できるのが、汚れに強い配色を選ぶ実質的なメリットです。庇のない建物では、この配分のほうが結果的に長持ちします。

 

 

 

— デザイン B —

 

ディープグリーン×シルバーグレーで
周囲の緑に寄せて、大きな壁面を静かに見せる

 

 

CONCEPT

 

外壁全体をディープグリーン(深く落ち着いた緑)で塗り込み、大型シャッター2連をシルバーグレー、足元の腰をライトグレーで明るく残した配色です。笠木と竪樋は緑になじむダークブラウン系で締めています。
3案の中でもっとも周囲の環境に溶け込む方向にまとめています。

この建物は、庇がないぶん壁の面がそのまま大きく立ち上がって見えます。白やアイボリーで全面を塗ると、その大きさがそのまま強調され、周囲から見て壁のような建物になります。ディープグリーンは彩度が低く、隣地の植栽・雑草・街路樹と色の系統が揃うため、同じ大きさの建物でも視界のなかで静かに収まります。今回の敷地は右手に植栽と草地が寄っているので、その効果がそのまま出ます。設計上の要点は、シャッターを壁より明るいシルバーグレーにしたことです。緑の面のなかにシルバーの四角が2つ並ぶことで、開口部が明るい抜けとして読め、建物が閉じた箱に見えません。濃い壁に濃いシャッターを合わせると重くなりますが、ここを明るくすると壁の面積が大きくても圧迫感が出ません。足元の腰をライトグレーで残しているのも同じ狙いで、濃色の壁が地面に沈み込まず、建物がすっと持ち上がって見えます。

 

 

この案が向く方

✔ 近隣に住宅や農地があり、建物の存在感を抑えたい

✔ 大きな壁面が「壁のように」見えるのを避けたい

✔ 景観への配慮が求められる地域に建っている

✔ 落ち着いた色にしたいが、グレーやベージュでは物足りない

 

 

 

配色設計メモ(デザインの意図)

 

外壁(角波金属サイディング)

ディープグリーンで全面を塗り込み、隣地の植栽や草地と色の系統を揃えて大きな壁面を視界に静かに収める

 

大型シャッター2連

壁より明るいシルバーグレーにして開口部を明るい抜けとして読ませ、濃色の壁が閉じた箱に見えるのを防ぐ

 

足元の腰・笠木・竪樋

腰をライトグレーで残して建物を地面から持ち上げ、笠木と樋はダークブラウンで緑になじませて線の色を散らさない

 

 

おすすめの艶(ツヤ)

艶消し〜3分艶

濃色は艶を上げるほど反射が強くなり、角波のリブごとに光が線状に走って壁が縞に見えます。庇がない建物は壁面全体に日が当たるため、この反射がとくに出やすい条件です。艶を抑えると緑が深く沈み、周囲の植栽の質感とも自然につながります。この案は色より艶の設定で仕上がりが決まります。

 

汚れの目立ちやすさ

壁を伝う黒い雨だれの筋は、ほとんど目立たなくなります。濃色は黒い汚れを沈めるので、庇のない建物の最大の弱点にそのまま効きます。
ただし注意点が2つあります。ひとつは白い水アカやチョーキングの粉が目立つこと。もうひとつは、錆汁(赤茶色)は緑の上でも目立つという点です。緑は黒い汚れを隠しますが、赤茶の筋は補色に近いためかえって浮きます。つまりこの案でも、ケレンと錆止めは省けません。塗料の選択にはとくに注意が必要です。緑系の顔料は紫外線に弱く、グレードの低い塗料だと数年で色が抜けて灰色に近づいて見えます。庇がなく壁が一日中日射を受けるこの建物では、その進行が早くなります。フッ素系または無機を選んでください。あわせて低汚染(親水性)塗料にすると、雨が汚れを流してくれます。

 

 

 

— デザイン C —

 

ライトグレー×レッドで
線で形を立てる、いちばん思い切った企業カラー

 

 

CONCEPT

 

3案の中でもっとも思い切った選択です。外壁をライトグレーで明るくまとめ、パラペットの縁・シャッターの見切り枠・エントランスの小庇・足元の腰・竪樋にレッド(朱赤)を線として通しました。シャッターはシルバーグレーで軽く抜いています。
色を「面」ではなく「線」で使い、建物の輪郭そのものを描き出した配色です。

この建物には、実は活かせる形があります。屋根が緩やかなアール(曲面)を描いて、左に向かってなだらかに下がっているという点です。ビフォアでは壁も笠木も同じ灰白色なので、この曲線がまったく見えていません。パラペットの縁に赤い線を一本通すと、その曲線が空を背景にくっきり浮かび上がります。四角い箱が並ぶ工業団地のなかで、この建物だけが形を持ちます。設計上の要点は、赤を必ず建物の3箇所以上に置いていることです。屋根の縁、シャッターの枠、足元の腰。上・中・下と高さを散らして同じ色を反復させることで、線が飾りではなくデザインになります。赤を一箇所だけに入れると、後から塗り足したように浮いて見えます。そしてシャッターの見切り枠を赤で囲うことで、ビフォアでいちばん錆が出ていた場所がそのままデザインの一部に変わります。弱点を隠すのではなく、意図した線として見せる考え方です。

 

 

この案が向く方

✔ 塗り替えを機に、企業イメージごと刷新したい

✔ 工業団地の白い建物の中で埋もれたくない

✔ コーポレートカラーを建物にそのまま使いたい

✔ 建物を看板・ブランディングの一部として使いたい

 

 

 

配色設計メモ(デザインの意図)

 

外壁(角波金属サイディング)

ライトグレーで面をリセットし、退色した灰白色ではない塗り立ての明るさに戻して赤い線の背景をつくる

 

パラペットの縁・シャッターの見切り枠

アールを描く屋根の縁に赤を一本通して建物の曲線を空に浮かび上がらせ、錆が出ていた枠をそのままデザインの線に変える

 

エントランス小庇・足元の腰・竪樋

同じ赤を上・中・下の3箇所に反復させて線をデザインとして成立させ、苔の出やすい足元を濃色で受ける

 

 

おすすめの艶(ツヤ)

5分艶

ライトグレーは艶を落としすぎると、退色したビフォアの灰白色に近い「くすんだ壁」に戻って見えてしまいます。ある程度光を返すことで塗り立ての印象が出ます。アクセントのレッドも同じ5分艶で揃えてください。壁とアクセントで艶が違うと、線が貼り付けたように浮きます。

 

汚れの目立ちやすさ

明るい壁なので、黒い雨だれの筋は3案でいちばん見えます。庇がなく壁の全面を雨が流れ下るこの建物では、低汚染(親水性)塗料の指定が必須です。雨が汚れを流し落とすので、明色の弱点は実用レベルまで抑えられます。
この案には有利な条件も2つあります。ひとつは角波のリブが縦に通っていること。雨水が横に広がらず縦に流れ落ちるので、汚れが面に染み出しにくい形状です。もうひとつは足元の腰を濃い赤にしていること。苔と跳ね返りが集中していた場所を、いちばん汚れに強い濃色で受けています。塗料グレードについては、赤にだけ注意が必要です。赤系の顔料はすべての色のなかで最も褪色が早く、グレードの低い塗料だと数年でくすんだピンクに寄り、この案の価値が失われます。レッドの部分は必ずフッ素系または無機を指定してください。壁のライトグレーはシリコン以上で成立するので、色ごとにグレードを変えて赤に予算を寄せるのが現実的な組み方です。

 

 

POINT

 

 

色選びのポイント

3案を選ぶ基準

 

A〜Cで迷うときは、「この建物を、誰に向けて整えるのか」という視点で考えると決めやすくなります。近隣の目か、取引先の目か、そこで働く人の目か。

 

デザインA

ベージュ×チャコールグレー

穏やか・飽きが来ない

・3案で最も汚れが目立たない

デザインB

ディープグリーン×シルバーグレー

落ち着いた・環境に馴染む

・壁を伝う黒い筋が沈む

デザインC

ライトグレー×レッド

個性的・企業色が立つ

・アールの屋根の形が空に立ち上がる

 

 

また、色だけでなく艶(ツヤ)・塗料グレード・笠木まわりの処理・社名サインの扱いまでセットで決めると、仕上がりの満足度が上がりやすくなります。特にB案・C案のように色そのものが価値になる配色では、塗料のグレードが仕上がりの寿命を直接左右します。

 

失敗しにくいコツ

庇のない金属外壁の建物では、壁を伝う茶色い筋を「汚れ」で片付けないことです。
今回の建物のように、錆が金物にとどまっていて壁の鋼板まで達していない状態は、ケレンと錆止めで完全に止められる段階です。ここを越えると、塗装では戻せない部分が出てきます。足場を架けるのは一度、そのときに笠木とシャッター枠までどこまで直すかで次の10年が決まります。

 

Q&A

よくある質問

 

Q1

壁に出ている茶色い筋は、洗えば落ちますか?

A. 落ちません。これは汚れではなく錆汁(もらい錆)だからです。見分け方は簡単で、汚れは面に広がり、錆汁は決まった位置から下に向かってまっすぐ落ちます。今回の建物では、シャッターの見切り枠の角、笠木の継ぎ目、金物の取り付け部といった特定の場所から筋が伸びています。これは、その金物が錆びていて、雨がその錆を溶かしながら壁を伝っている状態です。高圧洗浄で落ちるのは表面の汚れだけで、塗膜に染み込んだ錆の色は残ります。しかも洗っても、上流の金物が錆びたままなら翌年また同じ位置に筋が出ます。対処は、筋の元になっている金物を特定し、そこをケレンして錆止めを入れることです。壁側は、染みが濃い場合に下塗りでシミ止めをしてから上塗りします。壁を塗るだけでは、この筋は止まりません。

Q2

庇のない工場は、塗装で雨だれを防げますか?

A. 完全には防げませんが、出方を大きく変えられます。手は3つあります。ひとつめは低汚染(親水性)塗料です。塗膜の表面が水になじむ性質を持ち、汚れが付いても雨が下に流し落とします。庇がなく壁の全面を雨が流れる建物では、この効果がそのまま出ます。庇のある建物より、むしろ効果を体感しやすい条件です。ふたつめは色の選び方です。B案のような中〜濃色は黒い雨だれを明度差で沈めます。逆にC案のような明色を選ぶなら、低汚染塗料は必須の組み合わせになります。みっつめは笠木まわりの処理です。軒のない建物では、屋根の端の笠木が水の入口であり、汚れの出発点でもあります。笠木の継ぎ目のシーリングを打ち直し、水切りの形状を確認する。ここを整えるだけで、壁を落ちる筋の本数が減ります。塗装と同時にできる工事です。

Q3

アール(曲面)を描いた屋根まわりも、きちんと塗れますか?

A. 塗れます。ただし足場の組み方に、少し配慮が必要です。今回の建物は屋根が緩やかな曲線を描いて左に下がっています。この曲面部分は真下から見上げると手が届きにくく、平らな屋根より足場の高さ調整が必要になります。逆に言えば、ここを丁寧に組んでいる業者は、笠木の継ぎ目まできちんと見ています。そしてこの曲線は、塗装で活かせる形でもあります。C案でパラペットの縁に赤いラインを入れているのはそのためです。ビフォアでは壁と笠木が同じ色なので、この曲線がまったく見えていません。色を分けるだけで、建物の輪郭が空に対して立ち上がります。四角い建物が並ぶ工業団地では、これが強い個性になります。

Q4

足元の苔と黒ずみは、塗れば消えますか?

A. 塗る前に落とすことが前提です。塗り込めても、下から生え直します。苔・藻・カビは生きているので、上から塗料を乗せても内側で生き続け、数年で塗膜を押し上げて再発します。工程としては、高圧洗浄で物理的に落としたあと、除藻・殺菌剤で根を止めてから塗装に入ります。今回の建物で苔が濃いのには理由があります。敷地の右手に植栽と草地が寄っていて、その面は湿気が抜けにくいこと。そして庇がないため、壁を流れ下った水がすべて足元に集まることです。条件としては苔が出やすい建物です。ですので、腰の部分には防藻・防カビ性能のある塗料を指定することをおすすめします。あわせて、建物際の草を刈って地面との間に空気の通り道をつくると、再発までの年数が変わります。A案・C案のように腰を濃色にしておくと、多少出ても目立ちません。

Q5

縦張りの角波は、横張りより汚れやすいですか?

A. 汚れ方が違うだけで、総量としてはむしろ有利です。横張りのサイディングは、凹凸の水平ラインに汚れが溜まります。ほこりが横の段に乗り、雨が来ると帯状に流れ出して、面全体に汚れが広がります。縦張りの角波は逆で、水がリブに沿って縦にまっすぐ落ちます。汚れが横に広がらないので、面が汚れるのではなく線として出るのが特徴です。今回のビフォアで縦筋が目立つのはそのためです。ただし、縦に流れるということは流れ落ちてくれるということでもあります。低汚染塗料との相性がよく、雨が降るたびに自浄されます。注意すべきはリブの谷の部分で、ここは水が集中するので塗膜が薄いと先に切れます。塗る回数(下塗り+上塗り2回)をきちんと確保することが、縦張りではとくに効きます。

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